着付け師を目指すにあたって、「まずは資格を取った方がよいのでは」と考える方は多いのではないでしょうか。
着付けに関する資格には、厚生労働省認定の国家資格である着付け技能検定のほか、各団体や教室が認定する民間資格があります。こちらのページでは、それぞれの違いや受験条件、資格を選ぶときの考え方について解説します。
着付けに関する資格は、大きく分けると国家資格と民間資格の2種類があります。どちらが絶対によいというよりも、何を学びたいのか、どのような働き方を目指すのかによって向き不向きが変わります。
着付けに関する代表的な国家資格が、着付け技能検定です。これは、和装における他装、つまり他人に着物を着付ける技能を対象とした資格で、学科試験と実技試験によって判定されます。
国家資格という位置付けから、着付けに関する知識や技術を一定の基準で確認できる点が特徴です。仕事として着付けに関わりたい方にとって、資格の内容を知っておく価値はあるでしょう。
※参照元:厚生労働省「技能検定制度 職種一覧 着付け」(https://waza.mhlw.go.jp/shokushu/list/kitsuke.html)
一方で、着付けに関する資格には、各種学院や教室、団体が認定する民間資格もあります。
民間資格は、学べる内容や取得までの流れ、認定名、等級の考え方が団体ごとに異なるのが特徴です。初心者向けの内容から、講師や師範を目指すものまで幅広く、教室選びと資格選びがセットになっているケースもあります。
そのため、資格名だけで比較するのではなく、何を学べるのか、どのような場面で活かしやすいのかまで確認して選ぶことが大切です。
着付け技能検定は、着付けに関する知識と技能を客観的に確認するための国家資格です。着付けの仕事を目指す方にとって、まず知っておきたい資格の一つだと言えるでしょう。
着付け技能検定は、2010年に厚生労働省から認定を受けた国家資格です。
和装における他装を中心とした技能が対象で、試験は学科試験と実技試験に分かれています。資格区分は1級と2級があり、級によって求められる知識や技能の範囲が異なります。
国家資格であることから、着付けを仕事にしたい方の中には、一つの目標として位置付ける方も少なくありません。
着付け技能検定は1級と2級に分かれていますが、特に1級は誰でもすぐに受けられるわけではありません。
受験資格には実務経験年数などの条件があり、一定の現場経験を積んだうえで目指す資格として考えた方がよいでしょう。反対に言えば、すでに現場で着付けに関わっている方にとっては、自分の技能を整理し、次の段階を目指すための目標にしやすい資格でもあります。
受験を検討する際は、最新の受験案内や実施要項を確認し、自分が条件を満たしているかを事前にチェックしておくと安心です。
1級と2級では、求められる着付けの難易度や対象となる衣装に違いがあります。
2級は日常や一般的な場面で用いられる着物の着付けが中心なのに対し、1級では礼装や婚礼衣装など、より専門性の高い着付けまで求められます。
そのため、いきなり最上位だけを目指すのではなく、現在の経験や目標に応じて段階的に考えることが大切です。まずは基礎を固めたいのか、婚礼や式典など高度な現場も視野に入れたいのかで、資格との向き合い方も変わってきます。
※参照元:全日本着付け技能センター「着付け技能検定試験のご案内[PDF]」(https://www.kitsuke.or.jp/img/shikenshousai.pdf)
着付けに関する資格というと国家資格が注目されやすい一方で、実際には民間資格から学び始める方も多くいます。特に、初心者のうちから基礎を身に付けたい場合は、民間資格を入り口にする方法も考えやすいでしょう。
民間資格の魅力は、教室や団体ごとのカリキュラムに沿って、段階的に学びやすい点です。
着物の名称やたたみ方といった初歩的な知識から、自装、他装、礼装の着付けまで、レベルに応じて進められるケースもあります。仕事として活かす前提で学ぶ方もいれば、まずは着物に慣れたいという目的で通い始める方もいるため、自分のスタート地点に合わせやすいのが特徴です。
民間資格は、どの団体や教室が認定しているかによって中身が大きく異なります。
同じ「講師」や「師範」という言葉が使われていても、学習範囲や認定基準、取得後の活かし方は一律ではありません。資格名だけで比較するのではなく、講座内容や実技の比重、受講後の進路まで確認することが大切です。
また、教室によっては資格取得を前提とせず、一般向けの着付け学習を目的としている場合もあります。自分が仕事として着付けを目指すのか、教える立場も視野に入れるのかによって、選ぶべき講座も変わるでしょう。
着付けに関する民間資格には、以下のようなものがあります。
ただし、これらはあくまで一例です。認定制度の名称や内容は変更されることもあるため、気になる教室がある場合は最新情報を直接確認するようにしましょう。
着付け師を目指すうえで、資格が必須かどうかは気になるところです。結論から言うと、資格があると学習の目安にはなりますが、それだけで仕事ができるとは限りません。
資格取得を目指すことで、着物の種類や帯結び、礼装の考え方などを体系的に学びやすくなります。何をどの順番で覚えればよいかが見えやすくなるため、初めて着付けを学ぶ方にとっては良い道しるべになるでしょう。
一方で、実際の現場では、資格の有無だけでなく、相手に合わせて着付けられるか、短時間で整えられるか、着崩れしにくく仕上げられるかといった実務的な力が求められます。
そのため、資格取得をゴールにするのではなく、資格を学びの土台にしながら、写真館や着物店、レンタル店、結婚式場などで経験を重ねていくことが大切です。
着付けに関する資格は種類が多いため、「何となく有名そうだから」で決めてしまうと、あとから目的とのズレを感じることもあります。資格を選ぶ際は、次のような点を確認しておくと考えやすくなります。
着付け師として仕事をしたい場合は、自分で着る技術だけでなく、他人に着付ける技術を学べるかが重要です。講座内容に他装が含まれているか、礼装や式典向けの着付けまで学べるかを確認しておくとよいでしょう。
資格取得後に、どのような仕事や活動につなげやすいのかも見ておきたいポイントです。就職や転職に活かしたいのか、教室運営まで視野に入れるのかによって、選ぶ資格や教室の方向性は変わります。
資格取得には受講料だけでなく、道具代や認定料などがかかることもあります。無理なく続けられるかどうかを考え、学習期間や通学頻度も含めて確認しておくと安心です。
着付け師の資格には国家資格と民間資格があり、それぞれ特徴が異なります。ただ、資格を取ること自体が最終目的ではなく、将来どのように着付けを仕事にしたいのかを考えながら選ぶことが大切です。
着付け師になる方法や、未経験から経験を積む流れについては、下記のページで詳しく解説しています。
着付け師の資格には、国家資格である着付け技能検定と、各団体・教室が認定する民間資格があります。大切なのは、資格名だけで判断するのではなく、自分がどのような場で着付けに関わりたいのかを踏まえて選ぶことです。
資格は知識や技術を整理するきっかけになりますが、実際に仕事として活かすには現場経験も欠かせません。資格の特徴を理解したうえで、自分に合った学び方を考えていけるとよいですね。
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未経験からでも着付け師・ヘアセットとしてプロになれる教育体制が確立されているのも特徴です。